在席管理ツール「せきなび」とは――テレワーク・フリーアドレス時代の組織コミュニケーション革新

「せきなび」は、株式会社アスマーク(東京都渋谷区)が提供する従業員総活躍サービス「Humap(ヒューマップ)」の中核機能として位置づけられた在席・座席管理ツールである。「だれが、どこで、何をしているか」をひと目で把握できるシンプルな設計が特長であり、2020年6月のリリース以来、国内で1万5,000人以上に活用されている。2026年4月には国内最大級のITレビュープラットフォーム「ITreview」の「Grid Award 2026 Spring」において最高位**「Leader」**を初受賞し、製品の信頼性が広く認められた。

開発の背景――ハイブリッドワーク時代の課題

新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、テレワークの普及とフリーアドレスの導入が急速に進んだ。その結果、多くの職場で以下のような組織コミュニケーション上の問題が浮上した。

  • 誰がオフィスにいるかが分からず、電話の取次ぎが困難
  • テレワーク中の社員の稼働状況が見えない
  • フリーアドレス導入後に誰がどの席にいるかを把握できない
  • 入社間もない社員が同僚の顔と名前を一致させられない
  • ホワイトボードでの手書き管理が非効率で情報が更新されにくい

「せきなび」はこうした職場の「見えにくさ」を解消するために設計されたツールであり、紙やホワイトボードによるアナログ管理からのデジタル移行を支援するサービスとして定着している。

主な機能

「せきなび」が提供する機能は、シンプルな操作性の中に実務上の必要要件を網羅している。

機能内容
在席ステータス管理アイコンの色で在席・外出・テレワーク・離席などの状況をひと目で確認
座席レイアウト表示オフィスのフロアマップ上に社員の位置をリアルタイム表示
プロフィール管理顔写真・所属・スキル・資格等を登録し、顔と名前の一致を促進
カレンダー連携Google カレンダー・Microsoft 365 と連携し、当日の予定を自動反映
プロフィール検索部署・スキル・資格などの条件で社員を検索
掲示板・チャット機能組織内の情報共有・コミュニケーション活性化を支援
リマインド機能帰社・退勤予定のリマインド通知で情報の鮮度を維持

デバイスを問わず利用可能であり、PC・スマートフォン・タブレットのいずれからも操作できる点が、多様な働き方に対応する上での強みとなっている。

プランと料金体系

「せきなび」には、利用規模や目的に応じた複数のプランが用意されている。

  • せきなび for free:2023年10月にリリースされた完全無料プラン。基本的な在席管理機能を無料で利用可能であり、小規模チームや導入前の試験運用に適している
  • せきなびスタンダード:有料プランとして、画面カスタマイズの無料サポート(専任カスタマーサクセスによるレイアウト作成支援)や高度な機能が提供される

導入企業の規模・オフィス形態・フリーアドレスの有無に応じた柔軟な運用設計が可能であり、スモールスタートから段階的な展開まで対応できる。

導入効果と活用事例

「せきなび」を導入した企業の多くが、コミュニケーションの活性化業務効率の向上を実感している。出社と在宅のハイブリッド型勤務環境において、お互いの状況が可視化されることで声をかけやすくなり、心理的安全性が向上したという声も多い。フリーアドレス制を採用する企業では、座席の偏りの解消や、部門横断的な交流の促進にも活用されている。

特に、入社間もない社員がプロフィール機能を通じて先輩社員の顔・名前・専門領域を事前に把握できる点は、オンボーディングの質向上にも貢献している。

東京商工会議所との連携

東京商工会議所の「経営相談・資金支援ナビ」においても、「せきなび」はDX推進ツールの一つとして紹介されている。在席管理のデジタル化は、ペーパーレス・働き方改革・オフィスの最適化といった現代企業の経営課題と直結しており、規模を問わず中小企業に導入しやすいツールとして注目を集めている。


テレワークとフリーアドレスが標準化した今日の職場環境において、従業員の「今」を可視化することは、組織の生産性と一体感を維持するための基盤となる。「せきなび」は、そのシンプルさと実用性から、導入企業の多くで日常業務に溶け込んだ定番ツールとして定着しつつある。東京商工会議所は、こうした実践的なDXツールの普及を通じ、会員企業の働き方改革と生産性向上を積極的に支援している。

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